「子供とペットの未来を考える心のワンヘルス」をテーマに、農学・獣医学・心理学・グルーマーなど各方面の講師による講演、パネルディスカッションを含む未来トリマーシンポジウムが開催されました。未来トリマーは、子供たちが成長する段階でペットと関わり、コミュニケーションを深めることで、『命の大切さ』『心の豊かさ』『自然の素晴らしさ』『頑張ること、やってみることの大切さ』を育むことを目的としています。
このシンポジウムは、その“子供達の未来の可能性”を考える未来トリマー事業の一環として企画されたイベントです。

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【JHGA presents】未来トリマーシンポジウム

実演日
2020年1月26日(日)
会場
東京大学 弥生講堂
東京都文京区弥生1-1-1 東京大学農学部内
主催
ジャパンハッピーグルーミング協会
協賛
いぬのきもち、アニコムホールディングス
第1部
講演 太田光明先生
第2部
講演 西村亮平先生
第3部
パネルディスカッション
パネラー/鹿野正顕、渡辺千歳、中島かおる、丹下健一

第1部:講演 太田光明先生
「ペットとのふれあいが子供の成長に及ぼす影響について」

まず初めに、東京農業大学農学部バイオセラピー学科介在動物学研究室 教授の太田光明氏が登壇し、「人とペットが触れ合うことでお互いの脳内に『幸せホルモン』と呼ばれるオキシトシンが放出され、幸福感を感じることができる」と解説。犬と触れ合った小児病棟の子供たちの脳に「ドーパミン=喜びの感情があると分泌されるもの」が放出されたという報告を例に挙げ、「辛い治療があっても犬と触れ合うことで頑張れる」と語りました。また、子供の成長に必要な『共感性』 (人を思いやる気持ち)の養育にペットの存在が不可欠とし、生理学的な見地からも、「ペットの存在が科学的に子供たちの心を支えている」と説明しました。

 

第2部:講演 西村亮平先生
「子供のそばにペットがいること」

次に、東京大学大学院農学生命科学研究科 教授の西村亮平氏が登壇し、「なにかと制限が多くなっている社会情勢の中、子供が頼れる大人が少なくなり、子供にとってペットは『逃げ道』『心のよりどころ』としての意味合いを感じる」と語り、「ペットが欠かせない存在であり、ペットを通して“他者を愛すること”“社会的な寛容性”を学ぶことが小さな社会で生きていくための心の支えとなり、人と動物がともに暮らす幸せな社会づくりへとつながる」と、人とペットの共生の意義について触れました。

 

第3部:パネルディスカッション

3部では、農学、獣医学、心理学、グルーマーなど各方面の識者によるパネルディスカッションが行われました。東京未来大学こども心理学部で教鞭を執る渡辺千歳氏は、「家庭という小さな社会の中で、ペットがいることによって多様性が生まれ、自分と違うものを知り、一緒に成長することで、子供に多様なものを受け入れる寛容さを育む」とペットの存在意義について語りました。また、株式会社アニマルライフ・ソリューションズ代表の鹿野正顕氏は、「犬に命令をし、言うことを聞かせようとする関係では仲良くなれない。それは人間であっても同じことで、相手を理解し、優しさや気遣いを学ぶことでコミュニケーションをとることができる。犬との関わり方を教えるのが大人の役割」と語りました。さらに、一般社団法人KMDOG JAPAN/KMDOG USA 代表の中島かおる氏は、「動物に接する際の正しい知識が備われば、子供たちの心に自然に優しさは宿る。そのために、安全面からも動物との触れ合い方を教えるのは大人、特に教育を受けたプロフェッショナルの役割」とし、グルーマーは専門知識を通してペットと飼い主の関係を築くお手伝いをする素敵な仕事だとグルーマーの役割の重要性について見解を述べました。最後に、JHGA理事長の丹下健一氏は、グルーマーとしての自身の経験から、「子供がペットと触れ合うことで、人としての基本的な心を形成できることを実感している」と述べました。その経験から「飼い主とペットに寄り添う立場で、その触れ合いの機会を増やし、子供たちの未来に寄与する催しを協会の活動として続けていきたい」と抱負を語りました。

 

ハッピーグルーミング
コンテスト

HAPPY GROOMING CONTEST

未来トリマー

MIRAI TRIMMER

JHGA サポートグルーマー

JHGA Support groomer

リボン バンダナ
プロジェクト

Ribbon bandana project